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11月28日、本校図書室INNOMAGにて第5回FIREを開催し、北海道大学大学院教授で経済学者・哲学者として活躍される橋本努先生をお招きしました。著書『人生の地図』をもとに、「自分はどう生きるのか」「どのように未来を描くのか」というテーマを、社会学・哲学の理論を交えながらお話しいただきました。

講演では、年齢ごとに異なる“能力のピーク”を示す研究データが紹介され、人生には複数のピークが存在することが示されました。迷う時期こそ幅広く学ぶことが重要であると強調されました。また、パレートの法則やダニング＝クルーガー効果を例に、根拠のない自信を持つことの大切さ、有能であっても自信を失いがちな心理について解説。選択肢が多いほど行動しにくくなるという心理実験（アイエンガー＆レッパー）にも触れ、日々の学びや進路選択に直結する示唆が続きました。

さらに、人生の中で「自分にとっての2割の幸せを大切にすること」「迷いを抱える時期こそ学びを広げる意義」などが語られ、総合大学での学びの豊かさにも言及されました。チクセントミハイのフロー理論では、成長には“少し難しいことへの挑戦”が欠かせないと述べられ、マズローの欲求段階を踏まえつつ、知の欲求・美の欲求など多様な価値観を持つことの重要性が示されました。

質疑応答では、生徒（高２・Yさん）からの「フローの状態にも不安は存在するのか」という質問に対し、橋本先生は世界で注目される“IKIGAI”の考え方を引き合いに丁寧に回答。生徒にとって新たな視点を得られる深い学びの時間となりました。

今回のFIREは、生徒一人ひとりが自分自身の「人生の地図」を描くための大きなヒントに満ちた、たいへん貴重な講演となりました。