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受験が教えてくれたこと――先輩たちの大学合格報告会――
進路
12月22日(月)より冬期講習が始まりました。
初日の1限目に行われたのは、高校3年生による「合格報告会」です。高校1・2年生を対象に、年内入試(学校推薦型・総合型選抜)で、倍率10倍を超える国公立大学や難関私立大学の合格を勝ち取った先輩たちの中から、代表の3名が登壇しました。
報告会で印象的だったのは、合格体験が単なる“成功談”としてではなく、それぞれが歩んだ「ストーリー」として届けられたことです。英語資格や、評定(成績)の維持、校内外での活動、小論文を「どのくらいの頻度で書いたか」といった具体的な積み重ねなど、取り組みは一人ひとり異なります。
その中でも共通していたのは、多様な進路に対応する選択制のAS(アドバンスドセミナー)を有効活用し、目標から逆算して計画的に学びを進めていた点でした。
1人目の先輩は、フットサルのクラブチームで関東大会に出場しながら、SNSを活用した広報活動も継続してきました。限られた時間の中で活動と学習を両立してきた姿は、後輩たちにとって大きな刺激となりました。
また、「第一志望校に時間をかけすぎた結果、滑り止めとして受験した大学の対策が不十分になり、不合格となって崖っぷちに立たされた」という経験も率直に語ってくれました。だからこそ、最後に合格をつかみ取れたこと、そして「滑り止めの対策も含め、どの大学に対してもしっかりと準備することの大切さ」を強く伝えてくれました。
2人目の先輩は、探究活動について次のように語りました。
これから求められるのは、「自ら問いを立てられる人」であること。探究を「問い(=未解決な部分)を発見し続ける活動」と捉え、問いの設定、リサーチ、問いの再設定を繰り返しながら、大学で学ぶ水準まで高めていく。スライドを用いて熱をもって語る姿に、会場の空気がぐっと引き締まりました。
3人目の先輩は、面接練習で自分の答えに対して“突っ込まれた”経験について話してくれました。最初は怖かったものの、その厳しさが自分の甘さを正し、言葉を磨き、面接で通用する思考を育ててくれたといいます。だからこそ、「面接練習は厳しい先生にお願いした方がいい。厳しいけれど、自分を育ててくれる先生がいる」と、後輩に力強く伝えてくれました。
私たち教員にとっても、忘れられない時間となりました。普段のきびしさの意図は大人になってから気づくものだと思っていましたが、先輩たちは受験という経験を通して、その意味を自分の言葉で掴み取り、後輩へ手渡してくれました。思わず胸がいっぱいになりました。
在校生は最後まで真剣に耳を傾け、終了後も先輩のもとへ駆け寄って質問する姿が見られました。学びは、こうして受け継がれていきます。
この日、3年生が見せてくれた背中は、後輩たちにとって何よりの道しるべになったはずです。冬期講習のスタートにふさわしい、温度のある朝でした。