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「好き」から学びが動き出すーLEARNER’S TIMEの取り組み②

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授業・学び

現在、中学2年生の「LEARNER’S TIME」では、一人ひとりの「好き」や「関心」を出発点に、自ら問いを立てて社会とつながる探究学習を行っています。生徒たちが自らアポイントメントを取り、実際に訪問した企業・団体のレポート第2弾をお届けします。今回は5つの企業・団体を訪問しました。

芝浦水再生センター:都会の足元を支える循環

「水」に興味を持つ生徒たちが訪れたのは、品川にある芝浦水再生センターです。昭和6年から稼働する歴史ある施設が、山手線内側という広大なエリアの下水を支えている事実に、生徒たちは驚きを隠せませんでした。

当日は、下水処理の仕組みと役割の解説を聴き、広大な処理施設の見学ツアー を通して学びを深めました。処理が進むにつれて変化する水の匂いを五感で確かめ、「本当だ!」と歓声を上げる場面もありました。また、施設上部が公園として開放されている様子から、都市における土地活用の工夫も学びました。「今流した水もここに来るのか」という気づきは、日常を支えるインフラへの感謝へとつながったようです。

味の素ナショナルトレーニングセンター:一流を支える「基礎」

スポーツに関心を持つグループは、日本のトップアスリートの強化拠点「味の素ナショナルトレーニングセンター」を訪問しました。

最新のウエイトトレーニング室やリカバリーエリアの視察をし、栄養・データ分析など多角的なサポート体制の紹介を通して、世界で戦うための環境を目の当たりにしました。特に生徒の心に響いたのは、「一流の選手ほど基礎・基本を大切にしている」というお話でした。特別な才能だけでなく、地道な積み重ねが最高の結果を作るという事実は、生徒自身の部活動や学校生活への姿勢を正す大きな刺激となりました。

集英社:プロの「愛」と「本気の仕事」

「漫画」が大好きな生徒たちは、日本を代表する出版社・集英社への訪問を実現させました。厳重な警備にプロの現場の緊張感を感じつつも、憧れのコンテンツが作られる裏側に胸を躍らせました。雑誌ができるまでの工程(1冊に90日かかる!)を知り、編集・制作現場の詳細についての対話を行いました。「最高の暇つぶしを提供する」というスタッフの方々の言葉や、端々から溢れるコンテンツへの深い愛に触れ、生徒たちは「大人になって働くことの楽しさ」を直感したようです。最後のアドバイス「好きなことを見つけよう」という言葉は、自ら動いてこの場にたどり着いた生徒たちの心に、深く刻まれました。

鹿島建設:光とデザインで紡ぐ「配慮」の建築

「建築」や「ものづくり」に関心を持つ生徒たちは、鹿島建設株式会社を訪問しました。実際に病院の設計に携わっている担当者様から、ユニバーサルデザインの視点や、設計が形になるまでのプロセスについてお話を伺いました。

病院設計におけるユニバーサルデザインの講義を受け、実際の写真を用いた、設計と完成後の様子を見学し、学校生活の課題に対するアイデアの共有をさせていただきました。建築が社会に果たす役割を学びました。

特に生徒たちの心に深く残ったのは、空間における「光」の演出についてです。「明るさ」と一言で言っても、照度や明るさ感など複数の要素があり、それらを工夫することで人の動きを自然に誘導できるというお話に、生徒たちは大きな驚きを感じていました。光の使い方ひとつで空間の感じ方や行動が変わることに強い興味を抱き、利用者の立場を第一に考え、見えにくい部分にまで細やかな工夫を施すプロの姿勢に、建築の奥深さを実感しました。

野毛山動物園:命に向き合い、「共生」を考える

「動物愛護」や「生き物との関わり」に関心を持つ生徒たちは、横浜市にある野毛山動物園を訪問しました。展示の華やかさだけではなく、その裏側にある「命を守る仕事」について学びを深めました。飼育現場を見学し動物たちが健やかに過ごすための環境づくりの観察や、飼育員の方々が日々どのように動物に接し、健康を管理しているかの学習を通じて、動物園の社会に対する役割について学びました。

特に生徒たちが感銘を受けていたのは、飼育員の方々の「動物に対する細やかな気配り」です。単に餌をあげるだけでなく、わずかな体調の変化も見逃さない観察力や、動物たちのストレスを最小限にするための工夫など、「現場の熱量」を肌で感じ取っていました。「可愛い」という感情から始まった興味は、訪問を通して「命を預かることの責任感」や「人間と動物の共生のあり方」という、より深い問いへと進化しました。

LEARNER’S TIMEを通して、「好き」という気持ちを大切にしながら、自ら考え、行動し、学びを広げていく。社会と直接関わることで得た実感を糧に、生徒たちの探究はさらに深まっていきます。