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街をキャンバスにーARでひろがるパブリックアートの世界ー

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授業・学び

実践女子大学・下山肇教授によるARアート特別授業

4年生の選択授業の美術では、「社会とアートのつながり」をテーマに、パブリックアート(公共空間に設置される美術作品)のデザインに取り組んできました。石粉粘土で制作した自分たちの作品を、最終的にはARアートとして街に「設置」してみることを目標に学習を進めています。 

今回はその学びをさらに深めるために、パブリックアートやARアート(タブレットなどを通して、3Dデータの作品を現実空間に重ね合わせて表示する技法)について研究されている、実践女子大学 文学部 美学美術史学科の下山 肇(しもやま はじめ)教授をお招きし、ARの魅力を体験的に学ぶ特別授業を実施しました。 

対象は、4年生で芸術科「美術」を選択している生徒で、5クラスそれぞれに90分の授業を行っていただきました。授業の前半では、下山教授ご自身のARアート作品をスライドや映像で紹介していただきながら、ARの基礎知識や表現の広がりについて学びました。また、福島県相双地区で、AR技術を活用して地域への愛着やつながり(地域エンゲージメント)の向上を目指したプロジェクトの実践についてもお話しいただき、テクノロジーと社会がどのように結びついていくのかを考える貴重な機会となりました。 

後半は校外に出て、西大井駅周辺をフィールドに、実際に下山教授の作品を用いたARアートを体験しました。タブレット越しに見慣れた街の風景に作品が浮かび上がる様子に、生徒たちからは驚きや歓声が上がっていました。 

学校に戻ってからは、グループごとに自分たちが「設置」したARアートの狙いや工夫を発表し合いました。下山教授からは、一つひとつの作品に対して丁寧な講評やアドバイスをいただき、生徒たちは公共空間と作品との関係性について、より深く考えるきっかけを得ることができました。 

身近な街をキャンバスに見立てて表現するARアートの可能性に触れた生徒たちは、今回の学びを起点に、作品制作にとどまらず、社会との関わりやテクノロジーの活用を自ら問い直す探究活動へと発展させていきます。今後も本校では、このような取り組みを通して、Art と Technology を架橋するSTEAM教育を一層推進してまいります。