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歴史・多文化・平和を学ぶ三つの旅
授業・学び
― 関西・シンガポール・沖縄研修旅行 ―
本校の研修旅行は、学校が指定するコースに参加するのではなく、生徒たちが旅行会社と行き先や学習内容について話し合いながら、自ら企画・計画していく形式で実施しています。中高一貫部3年生は、歴史と文化を日本国内でじっくり味わう「関西コース」、多文化社会と先進技術に触れる「シンガポールコース」、戦争と平和、自然や伝統文化について理解を深める「沖縄コース」の三つの中から一人ひとりが希望するコースを選択し、事前学習を重ねてから出発しました。
生徒たちは、それぞれの土地でしか得られない出会いや体験を通して、「知る」「感じる」「考える」学びを大きく広げることができました。ここでは、その三つの研修旅行の様子をご紹介します。
歴史と文化に触れる関西での学習 ― 関西研修旅行
中高一貫部3年生は新幹線で関西へ向かい、期待に満ちた表情で研修旅行をスタートさせました。京都では清水寺や二条城を訪れ、参道の混雑を体感したことから観光地が抱える課題について考える場面も見られました。清水の舞台から望む紅葉の景色や、弁慶の錫杖を持ち上げる体験は、歴史を身近に感じる貴重な機会となりました。
二条城では、うぐいす張りの廊下や豪奢な部屋の造りに強い関心を寄せ、当時の暮らしや文化に思いを巡らせながら見学を進めました。
自主研修では、班ごとに設定したテーマに基づき市内を巡り、文化・自然・町並みをそれぞれの視点で探究しました。奈良では寺院の歴史に触れ、薬師寺での法話が深く心に残った生徒も多くいました。大阪では、USJにおいてエンターテインメント産業について学び、また海遊館や道頓堀で関西ならではの雰囲気を体感しました。
歴史・文化・現代産業を幅広く学ぶ、実りある研修旅行となりました。
多文化社会と先進技術を体感する ― シンガポール研修旅行
深夜便でシンガポールへ到着した生徒たちは、初めての海外研修に緊張しながらも落ち着いた行動でプログラムに臨みました。市内を巡る中で、多様な宗教施設が隣り合って存在する景観が見られ、多文化が共生する社会の在り方を実感しました。プラナカン料理やドリアンなどの食文化にも挑戦し、日本とは異なる味覚や香りに驚く様子もありました。
交通インフラの視察では、クレジットカードで地下鉄改札を通過できるシステムに触れ、先進的なスマートシティとしての側面を学びました。
B&Sプログラムでは現地大学生との交流が行われ、英語を使って積極的に質問・対話する姿が多く見られました。「これほど英語を使ったのは初めて」「会話が弾んで楽しかった」といった声が寄せられ、事前学習で身につけた知識が実体験へと結びつく機会となりました。
帰国の際には日本食の温かさを改めて感じるなど、多文化理解と国際感覚を深める研修となりました。
“知る”を広げる沖縄での学び ― 沖縄研修旅行
「知ること」をテーマに実施した沖縄研修旅行では、Learners Timeでの事前学習を重ね、歴史・文化・自然といった多様な観点から沖縄について探究しました。
平和学習では、対馬丸記念館やひめゆり平和祈念資料館を訪れ、当時の記録や証言に触れることで、戦争の悲惨さと平和の尊さを深く理解しました。戦後80年の節目にふさわしい、意義のある学びとなりました。
文化体験では、琉球ガラス制作や伝統芸能に触れ、職人の技や文化の奥行きに対する理解を深めました。海ぶどうの生産現場での学習やグループでのBBQを通して、学年全体の交流もより一層活発になりました。
さらに、透明度の高い海でのシュノーケリングやダイビングでは、豊かな自然環境を肌で感じ、続く体験施設での活動では、伝統文化の継承や地域資源の活用について学びました。
美ら海水族館などの観光施設の見学では、自然と観光産業の関わりについて考えるきっかけが得られました。最終日の首里城や国際通りでは、歴史と現代が共存する街の姿を自身の視点で確かめ、主体的に行動する姿が見られました。「さらに学びを深めたい」という声も多く、次の学びにつながる充実した研修旅行となりました。