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教員も学び続ける“LEARNERS”——非認知能力が学力を押し上げる授業づくり
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12月26日(金)、教員研修を実施しました。はじめに、2050年を見据えた本校の教育方針について説明会動画を全員で視聴し、目指す姿の再確認からスタート。「どの先生に質問しても同じ答えが返ってくる」という共通認識をあらためて共有し、学校全体のベクトルを揃えました。
今回の中心テーマは、非認知能力が認知能力(学力)を押し上げる授業設計です。非認知能力の定義を確認したうえで、「どの力を伸ばしたいか」というねらいと意図を明確化し、空間・教具・活動のどこに、当事者性・ゲーム性・協同性・現実性・関連性といった要素を織り込むか、感情が動く授業のピークをどこに置くか、具体的なしかけ(ギミック)の設計を学びました。学びたい気持ちを引き出し、結果として成績向上につなげることをめざします。
また、本校は学習指導と生活指導を車の両輪と位置づけています。研修では、遅刻の多い生徒や服装の乱れなど実際に起こりやすい事例をもとにグループで対応策を検討。先輩教員の実践知や遅刻率を10%超から約1%へ改善した方法なども共有し、若手教員でもすぐ実践できる指導方法を共有しました。休憩時間も惜しんで先輩教員に質問する姿も多くみられ、少しでも多くの指導方法を学ぼうという姿勢が随所に見られました。
午後は教科別、学年別に分かれ、非認知領域の育成を授業ベース、学年の生徒像を踏まえて重点的に育てたい非認知スキルを明確化。「どの力を、どの活動で伸ばすか」を合意形成し、宣言を込めて発表しました。評価教科とは異なる立場の司書・養護教諭からも、じっくり話を聞き、興味関心の言語化を支援することで非認知能力の伸長につなげていく方策が提案されました。この視点に、教科の教員も刺激を受けました。
研修の締めくくりに校長は、感情が動く瞬間を意図的につくる重要性を強調しました。単なる将来の不安の喚起ではなく、ワクワクする挑戦によって生徒を「良い意味で不安定」にし、価値観の見直しを促す。その仕掛けを現場で実装していくことも教員の役割である、という自身の経験も踏まえたメッセージでした。
校長は常々、先生たちにも幸せになってほしい、生徒の前では元気な姿で立ってほしいと語っています。そうした先生であってこそ、生徒を幸せにできるという考えです。先行き不透明な世の中で、私たち教育者としてどのような学びを生徒たちに提供できるのか、そのために現場で何が必要なのかについて考える、大変意義のある研修となりました。
本校は「研修あっての私学教員」という考えのもと、年間を通して研修を実施しています。教員一人ひとりが“学び続けるLEARNERS”であり続けることが、生徒の確かな成長につながります。今後も研修の様子や授業改善の取り組みを継続的にお伝えしてまいります。