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第9回 FIRE 「知性とは何か」 内田樹先生 トークセッション開催報告
授業・学び
「知性とは何か」という問いから始まった今回のFIRE。
90分の対話は、哲学からAI、戦争、教育、そして人生の選び方へと広がり、会場全体が引き込まれる時間となりました。
今回のFIREでは、哲学者・思想家の 内田樹 先生をお迎えし、ライターのだいまりこさんとのトークセッションを行いました。内田先生の知の広さ、そして話題の豊かさを感じさせる90分となりました。
「なぜ哲学を学ぶことになったのですか」という問いから、内田先生はご自身の学生時代を振り返ります。学生紛争のただ中にあった東京大学で、自分で選んだというよりも、気がつけばその場所にいたと語られました。そして、言語哲学者である丸山圭三郎先生の講義を受けたとき、「これを聞くためにここに来たんだ」と感じ、二年続けてその講義に通ったことが学びの出発点になったといいます。
そこから話は一気に広がっていきました。国防、医療、AI、身体論、韓国、アメリカ、フランス、魔女、戦争、政治、教育、親…。話題は次々と移り変わりながらも、そのすべてが「知性とは何か」という問いへとつながっていきます。中高生だけでなく、保護者や教員もぐっと引き込まれ、気がつけば終了時間を迎えていました。
そして最後に内田先生が語られたのは、「好きなことをやれ」というメッセージでした。誰かに言われたことをやって失敗するくらいなら、自分の好きなことをやればよいという言葉でした。人はぼんやりと自分の未来を感じ取っていて、「なんとなくこっちだ」という感覚を持っている。だからこそ、その感覚を大切にしてほしいという言葉が印象に残りました。
さらに、「コーリング(呼びかけ)」という考え方にも触れられました。誰かから求められることに応じていくと、その一つひとつの点が後になって線となり、自分の人生の道筋になっていくというお話でした。
講演の最後には生徒からの質問も寄せられました。「学生運動の時代の東大と、今の東大はどのように違うのですか」という問いから、大学祭の雰囲気の変化、集団心理、そして平和についての話へと広がり、最後の最後まで内田先生の知性の深さを感じる時間となりました。
参加者の感想
・先生のお話に知的好奇心が刺激されました。やはり豊かな人生を送るには好きという気持ちが大切で、良い師匠に出会うことも大切だと心底感じました。ありがとうございました。
・進路について悩み始めましたが、AIに代替できる仕事ではなくて自分が好きなことをなんとなく続けていけば、そのうち「コネクト・ドッツ」のように道ができると息子にも共有したいです。
・自分の感覚や直感に従うというお話がとても興味深く、「みんなが」ではなく「自分が」決めた方向に進む勇気を持つことを、友人関係で悩んだ時に子どもに伝えていきたいと思いました。
本校のFIREが、生徒たちにとって、内田先生が学生時代に感じた「これを聞くためにここに来たんだ」と思えるような出会いの機会になればと願っています。