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第11回 FIRE 絵地図師・散歩屋 高橋美江先生をお迎えして
授業・学び
第11回FIREを実施し、絵地図師・散歩屋の高橋美江先生をお迎えしました。
今回のFIREでは、高橋先生が実際の住宅地図をもとに、どのように情報を拾い、整理し、絵地図として表現していくのかを具体的に紹介してくださいました。これまでに手がけてこられた絵地図も見せていただきながら、ただ話を聞くだけでなく、絵地図が生まれるまでの過程そのものに触れる時間となりました。
高橋先生が地図づくりで大切にしているのは、「正確であること」「わかりやすいこと」「遊び心があること」の三つです。限られた期間や予算の中で、見る人のために何を伝えるかを考え抜く。その姿勢からは、仕事とは情報を集め、それを相手に届く形で表現することなのだと伝わってきました。絵地図は案内図であるだけでなく、街の表情や空気まで感じさせてくれるものであり、そこには社会科と美術の視点が重なり合っていました。
講演の中で印象的だったキーワードの一つが、「人」です。気になることは思い込みで終わらせず、実際に人に聞き、確かめる。その積み重ねが、地図にその土地ならではの面白さやオリジナリティーを生み出していくことが語られました。また、高橋先生ご自身も、これまでの歩みの中で多くの人との出会いに支えられてきたことを振り返られました。人とのかかわりを大切にすることが、自分の世界を広げ、仕事を深めていくのだということをあらためて感じました。
音楽大学を志しながらも美術大学へ進んだこと、子育て中に夢中になったジグソーパズルの中に、自分が仕事に求めていた達成感や緊張感を後から見出したこと、厳しく指導された経験が今の仕事につながっていることなど、高橋先生のお話には、思ってもみなかった道が人生をひらいていく面白さがありました。目の前に来た仕事を一つひとつ受け止め、誠実に向き合ってきた先に、今の仕事があるという言葉にも、大きな説得力がありました。
参加者の感想からも、今回の学びの深さが伝わってきます。
保護者からは、
「物事を色々な角度から見ると見方が変わるという事、また楽しく続ける事の大切さを子供達にも気づいて貰えるきっかけになったのではないかと思います。」
という声が寄せられました。
また、生徒からは、
「人と関わることで、自分のやる仕事を見つけられるようになったり、『この人ならこれをどう見るだろう』ということを学ぶ機会になった。」
という感想がありました。
絵地図の話でありながら、今回のFIREで語られていたのは、実は「情報」と「表現」、そして「人」との出会いの大切さでした。ものの見方が変わると、いつもの街も違って見えてきます。そんな発見に満ちた時間となりました。