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志ら梅祭スペシャルFIREを実施ー強みで創る、しあわせなまちー
学び・授業
10月4日、志ら梅祭スペシャルFIREとして、ポジティブ心理学の分野でご活躍されている宇野カオリ先生をお迎えしました。
宇野先生は、ポジティブ心理学の創始者であるマーティン・セリグマン博士のいる米国ペンシルベニア大学大学院で6年間学ばれ、セリグマン博士らに師事されました。日本において、ポジティブ心理学の理解と実践を広げてこられた先生です。
今回のテーマは、「強みで創る、しあわせなまち」。志ら梅祭のテーマである「UNITY CITY」とも重なり、一人ひとりの個性や強みが、人とのつながりの中でどのように生かされるのかを考える時間となりました。
ポジティブ心理学と聞くと、「明るく前向きに考えること」「いつも笑顔でいること」といったイメージをもつ人もいるかもしれません。しかし、宇野先生のお話は、そのような単純な前向きさとは異なるものでした。
ポジティブ心理学は、ネガティブの反対としての「ポジティブ」を扱う学問ではありません。人がよりよく生きるとはどういうことか、幸せや充実、強み、意味、レジリエンスを科学的に研究する学問です。近年よく使われる「ウェルビーイング」という考え方も、このポジティブ心理学と深く関わっています。
当日は、事前に保護者の方から寄せられていた「子どもの強みをどのように見つけ、伸ばしていけばよいのか」という質問にも、宇野先生からお答えいただきました。
強みとは、単に得意なことや結果が出ていることだけではありません。楽しんでいるか、熱中しているか、その人らしさが自然に出ているか。そうした姿の中に、強みの手がかりがあります。大人ができることは、その子が強みを発揮している瞬間を見つけ、応援してあげることだと教えていただきました。
また、レジリエンスについては、自分のものの見方を少し変えてみることの大切さが語られました。
「みんなに言われている」と感じたとき、本当に「みんな」なのか。
「いつも失敗する」と思ったとき、本当に「いつも」なのか。
「自分のせいだ」と感じたとき、自分ではない要因はないのか。
出来事そのものを変えることはできなくても、ものの見方、捉え方、考え方を少し柔軟にすることはできます。性格を無理に変えるのではなく、自分の考え方の傾向を知り、相手からの言葉や出来事を自分で判断する力を育てていく。その視点は、生徒たちにとっても大切な学びとなりました。
宇野先生の熱のこもったお話は、会場全体を一つにしていました。参加した生徒たちからは、心理学への関心の高さだけでなく、日々の生活の中で感じている疑問を、自分の言葉で具体的に質問する姿が見られました。それに対して宇野先生は、専門家としての視点から、高校生にもわかりやすい事例を挙げながら、一つひとつ丁寧に応えてくださいました。
参加した生徒からは、
ネガティブ、ポジティブに関係なく、一つの考え方のみにとらわれてしまうのは良くないんだなと感じた。
ネガティブな考えも必要で、柔軟にしなやかに生きていけると良い。
という感想が寄せられました。
保護者の方からも、
子どもや自分の強みを見つけてあげよう、など学びが多くありました。
心理学もさりながら学校の取り組みもわかった。
といった感想がありました。
講演終了後にも、参加した生徒たちがMCの代さんや宇野先生に個別に声をかけ、質問や感想を伝える姿がありました。話を聞いて終わるのではなく、自分の中に残った問いをもう一度言葉にし、さらに学びを深めようとする姿が印象的でした。
本校では、ハワード・ガードナーの多重知能理論を大切にしています。その中でも特に重視しているものの一つが、内省的知能です。自分を振り返り、自分の感じ方や考え方に気づき、自分の強みや課題を見つめ直すこと。今回の宇野先生のお話は、この内省の大切さに新しい視点を与えてくださいました。
一人ひとりの強みが重なり合うことで、どのようなしあわせなまちをつくることができるのか。今回のスペシャルFIREは、志ら梅祭の「UNITY CITY」というテーマを、心理学の視点から深く考える時間となりました。