TOPICS
トピックス

生徒企画で広がる学びの旅 高校部2年生研修旅行

NEW

授業・学び

自ら選んだ国内外の学びで育つ探究心と国際感覚

本校の研修旅行は、あらかじめ決められたパッケージツアーではなく、生徒自身が中心となって行き先や学習テーマ、現地でのプログラムを考える「生徒企画型」の旅です。旅行会社の方と打ち合わせを重ねながら、予算や安全面にも配慮しつつ計画を練っていくため、訪問先や内容は毎年異なる“自分たちだけのコース”となります。

高等部2年生は、今年度の研修旅行で国内外の多様な地域を訪れ、それぞれの地で人々の暮らしや文化、環境問題、宗教観、多文化共生のあり方について学びました。事前学習をもとに自ら問いを立て、現地で答えを探す探究型の姿勢が多く見られ、国際的な視野を大きく広げる機会となりました。

**シンガポールコース 

シンガポール・マネージメント大学(Singapore Management University)にて、現地大学生や教員とともに Sustainability Program をテーマに学びました。 

B&Sプログラムでは、事前に作成した行程表にしたがってシンガポールの観光地を巡り、海外の文化を体験しました。また、訪れた場所で、現地の方にゴミ問題に関する意識調査をするために簡単なアンケートを行いました。突然のインタビューにもかかわらず、現地の方は優しく対応してくださり、現地大学生の力を借りながらも、無事インタビューを行うことができました。生徒たちは、環境保全への意識を高めることができました。 

後半のプログラムでは「SDGs12:つくる責任・つかう責任」で、Tシャツ1枚の製造に2,700リットルの水が使われるという話に強い驚きを示し、日常の行動を見直すきっかけとなりました。 

**マレーシアコース 

マレーシア研修のテーマは「宗教と国際理解」。多様な民族・宗教が共存するマレーシアを訪れ、事前に学んだ知識をもとに現地の文化や宗教施設を見学しました。 

最大のモスクであるブルーモスクでは、宗教上の決まりに配慮した服装で参加し、ガイドの英語による説明を熱心に聞き取っていました。その後、仏教寺院・キリスト教会・ヒンドゥー教寺院も訪問し、一日に複数の宗教文化に触れる貴重な学びの場となりました。 

メインプログラムである Khalifah Model School Secondary(宗教学校)との交流会では、温かい歓迎を受けました。礼拝の見学やマレー語での交流、アニメ・ゲームなど日本文化をきっかけにした会話で盛り上がり、短時間で友情が生まれていく様子が印象的でした。 

民族・宗教・文化の違いを尊重し合う「多文化共生社会」を肌で感じたことで、生徒たちは多様な価値観をより深く理解し、国際的な視野を広げることができました。 

**北海道コース 

― 第一次産業とアイヌ文化に触れる学びの旅 ― 

5年生の研修旅行・北海道コースでは、第一次産業とアイヌ文化の2つを軸に学びを深めるため、生徒はそれぞれのテーマに分かれて現地で探究活動に取り組みました。 

■ 第一次産業チーム 

第一次産業チームは、2泊3日のファームステイを中心に、大型農工機械メーカー「クボタ」の最新農業施設の見学、黒毛和牛の生産・販売を手掛ける企業の牧場視察など、多方面から農業を学びました。 
ファームステイでお世話になった農家の皆さんは、大規模農家、高級鶏卵農家、多角経営農家など多様で、生徒が直接生活に入り込むことで、一次産業の現場と働く人々の姿を肌で感じることができました。 

生徒が思わず口にした「米がうまい」「ネギがうまい」という素直な感想は、地元で採れた食材ならではの味わいを実感した証であり、研修の学びを象徴する言葉となりました。 

■ アイヌ文化チーム 

アイヌ文化チームは、北海道各地にあるアイヌ関連施設をめぐり、地域ごとに異なる紋様や生活文化を学びました。伝統楽器の演奏体験や、伝統衣装をまとっての舞踊体験など、身体を使って文化を感じるプログラムにも参加しました。 

訪れた施設ごとに展示内容や視点が異なるため、単なる知識ではなく「場所をめぐることでわかる多様性」を体験的に理解することができました。 

**沖縄総合コース 

初日の民泊では、地域の方々から戦争の記憶や平和の尊さを直接伺い、歴史を身近に感じる貴重な体験となりました。 
2日目は美ら海水族館を訪問し、普段は入れないバックヤードツアーに参加。海の生態系を支える研究の現場を間近で見学しました。 

3日目は午前中にシュノーケリングを体験し、豊かな海の生き物にふれることで環境保全への関心が高まりました。午後はサンゴの植え付けと川でのカヌー体験に分かれて学習。天候はあいにくでしたが、自然の中で主体的に学ぶ姿が見られました。 

4・5日目には「ミライバトン」を実施し、現地大学生とのディスカッションを通して幅広い視点を得ることができました。最後に国際通りで自主研修を行い、無事にすべてのプログラムを終えることができました。 

生徒たちはこの研修を通して、多くの学びと仲間との絆をさらに深めることができました。